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もうすぐ来るCMSなしの時代? CLI技術によるUIの自動操作

管理画面(CMS)を使える人が限られていて、更新のたびにその人に頼む。多くの会社で起きていることだ。原因は、管理画面の学習コストにある。画面の構成、入力の順番、公開までの手順を覚えた人だけが操作でき、覚えていない人は頼むしかない。

当社はこの課題を、画面を覚えやすくする方向ではなく、画面を操作しない方向で解決した。手元の端末で言葉で頼むと、CLI(コマンドで動かす道具)とAIエージェントが代わりに操作する。自社のプロジェクト管理ツール「projectAI」でこの形に切り替えたところ、社内でCLIを使う人の割合は5か月で6%から75%に増え、タスクの起票は86%がCLI経由になった。

この記事では、学習コストがなぜ属人化を生むのか、CLIがそれをどう消すのか、そして当社で実際に何が起きたかを、週ごとの記録とともに書く。

この記事の要点 ― 管理画面の学習コストが属人化をつくる。管理画面の課題(覚えるまで使えない、詳しい人に頼む、記録が残らない)を、CLIとAIで、社内のprojectAIでの結果(CLIを使う人の割合6%から75%、起票の86%がCLI、記録が週10件から140件)に変えた。画面の操作を覚えるのではなく、言葉で頼む。

学習コストが、属人化をつくる

管理画面は、使えるようになるまでに覚えることが多い。どのメニューに何があるか、必須項目はどれか、画像はどの大きさで登録するか、公開前に何を確認するか。一つひとつは小さいが、合計すると「覚えた人」と「覚えていない人」の差になる。

差ができると、更新は覚えた人に集まる。頼む側は「お願いします」で済むが、頼まれる側の手が空くまで更新は止まる。覚えた人が異動や退職で抜けると、手順ごと失われる。管理画面の属人化は、能力の問題ではなく、学習コストの置き場所の問題だ。

もう一つの副作用がある。画面での操作は記録に残りにくい。誰がいつ何を変えたかは画面の履歴に残っても、「なぜ変えたか」「確認はしたか」は残らない。頼まれた人の頭の中にだけある。

CLIとAIエージェントが、覚える対象を消す

当社がとった方法は、管理画面を覚えやすくすることではなく、管理画面を操作しないことだ。手元の端末で「この記事を下書きにして」「このタスクを完了にして、テスト結果をコメントに残して」と言葉で頼む。AIエージェントがそれをコマンドに変え、CLIがシステムを操作する。

覚える対象は、画面の構成から「何をしたいか」に変わる。したいことを言えれば動くので、画面を覚えていない人でも、自分で操作できる。頼む相手が「詳しい人」から「自分の端末」に変わる。

操作がコマンドになると、副作用も変わる。すべての操作が文字で残り、誰がいつ何をどの理由で変えたかが記録になる。画面での操作では残らなかった「なぜ」が、コマンドに添えた一言として残る。

projectAIで実際に起きたこと

当社は、見積から運用までを一つの画面で管理するprojectAIを自社で開発し、2026年春から使い始めて、7月に全社の本番運用に移した。最初は管理画面だけだった。5月19日にCLIを公開し、AIエージェントから操作できるようにした。

その後の変化を、projectAIの記録から週ごとに集計した。

週あたりのタスク起票数(2026年4〜10月)。5月19日のCLI公開後、画面からの起票が減り、CLIからの起票が増えて、10月には起票の86%がCLI経由になった。
週あたりの進捗・テスト記録(コメント)。導入前は週10件前後だったものが、9〜10月は週140件前後になり、ほぼすべてがCLI経由。

三つの数字が、属人化が解けたことを示している。

  • 社内でprojectAIを操作する人のうち、CLIを使う人の割合は、5月の6%(16人中1人)から10月の75%(16人中12人)に増えた。誰かに頼んで使ってもらったのではなく、使った人の仕事が速くなるのを見て、隣の人が自分で使い始めた。
  • タスクの起票は、導入前は画面からだけで週100件前後だった。10月には週150〜250件になり、そのうち86%がCLI経由だ。画面からの起票は週20〜70件に減った。
  • 進捗やテスト結果の記録(コメント)は、導入前は週10件前後しか残っていなかった。9〜10月は週140件前後で、9割以上がCLIから書かれている。画面では面倒で残さなかった記録が、コマンドに添える一言として残るようになった。

完了したタスクの数そのものは、導入前後で大きくは変わっていない。変わったのは、操作できる人の数と、記録の量だ。属人化の解消とは、仕事が増えることではなく、同じ仕事を誰でも進められ、何をしたかが残ることだと考えている。

このサイトも、管理画面を開かずに更新している

同じ仕組みを、会社サイトの記事の公開にも使っている。この記事も、手元の文章ファイルを書き、コマンドを一つ打って下書きを保存し、表示を確認してからもう一つ打って公開した。管理画面は一度も開いていない。画像の登録、公開、英語版の作成も同じ手順だ。

管理画面が不要になるわけではない。承認の流れ、権限の管理、変更の履歴は、画面の裏側の仕組みとして残る。消えるのは画面を覚える時間であり、残るのは判断と統制だ。

向いている会社、当面は管理画面が合う会社

向いているケースと、当面は管理画面が合うケース

向いているのは、更新や記録の回数が多く、担当者が複数いて、覚える負担を減らしたい会社だ。管理画面に詳しい人が一人しかいない状態なら、効果はすぐに出る。

編集者が非エンジニアだけで入力画面とプレビューが要る場合、多段の承認が要る場合、権限を細かく分けたい場合は、当面は管理画面のほうが整っている。これらも仕組みとしてはコマンドの裏側に作れるが、今の時点では画面のほうが扱いやすい。

よくあるご質問

既存のCMSや業務システムを捨てる必要がありますか?

ない。データは今のシステムに置いたまま、操作の入口をCLIとAIエージェントに足す形で進められる。当社のprojectAIも、管理画面はそのまま残している。

非エンジニアでも使えますか?

使える。コマンドを覚えるのではなく、したいことを言葉で頼むので、画面の操作もコマンドも覚える必要がない。当社でCLIを使う人は、使った人の仕事が速くなるのを見て自分で使い始めた人たちだ。

間違えて公開してしまいませんか?

下書きの保存と公開は別のコマンドにし、公開の前に表示を確認する手順にしている。影響の大きい操作には人の確認を挟む。管理画面の確認ボタンと同じことを、手順として置いている。

効果はどう測ればよいですか?

操作できる人の数、操作の記録の量、頼んでから反映されるまでの時間の三つを見る。当社は、CLIを使う人の数と、CLI経由の起票・記録の割合を週ごとに追った。

自社の業務にも入れられますか?

入れられる。まず更新や記録の回数が多い業務を一つ選び、その操作をコマンドにする。進め方はAI導入支援に、projectAIでの実例はprojectAIの全社運用事例にまとめている。

まとめ

管理画面の属人化は、能力ではなく学習コストの問題だ。画面を覚えなくても操作できる入口を用意すれば、覚えた人に頼る構造はなくなる。当社では、CLIとAIエージェントをその入口にして、5か月で社内の操作できる人の割合が6%から75%に増え、記録の量は十数倍になった。

CMSがなくなるのではない。画面を覚える時間がなくなる。業務の入口を言葉にすることに関心があれば、無料の見積もり相談で担当PMに直接聞いてほしい。

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出典: projectAIの記録(タスク起票・コメント・利用者数、2026年4月〜10月14日の週集計。AIが自動生成したタスクは除外)。