CASE STUDY
少年サッカークラブの体験申込・入会手続きをスマホで完結する会員管理システムの開発事例

概要
横浜市で20年以上活動する少年サッカークラブ(NPO法人)では、幼児から中学生まで約280名の会員を10名以上のコーチが指導しています。体験の申込から入会までは、LINEやメールでの申込、日程調整の往復、紙の入会案内、費用案内の郵送、口座振替の書類、ユニフォームの申込用紙、連絡アプリへの登録と9つの手順に分かれ、入会完了までに2〜3週間かかっていました。体験者の情報は代表者の個人LINEに集まり、返信の速さが担当者次第になることも課題でした。
本プロジェクトは、体験申込から入会・運営・育成までをひとつのアプリでつなぐ会員管理システム(クラブ経営基盤)の構想のうち、第1段階にあたる「入口」(未会員から入会まで)を構築したものです。保護者はスマホだけで手続きが完結し、スタッフは通知を受け取るだけで済むことを設計の中心に置きました。
進め方にも特徴があります。当社が基盤と骨組みを組み上げ、残りの作り込みは当社のプロジェクト管理ツール「projectAI」の上で、コーチや事務局の要望をAIエージェント「Mr.AI」が実装する形で、クラブの好みに合わせて仕上げました。要望から反映までの速さと、自分たちの言葉がそのまま画面になる体験に、現場から非常に高い満足度をいただいています。

課題
- 申込・日程調整・入会案内・費用案内が紙・メール・別アプリに分かれ、入会完了まで2〜3週間かかっていた
- 体験者の情報が代表者の個人LINEに集中し、スタッフ間で共有されず、返信の速さが担当者次第だった
- 手続きの抜け漏れや二重入力が起きやすく、誰の手続きがどこで止まっているかを把握できなかった
- 実在する園児〜中学生の個人情報を扱うため、本番公開の前に認証・権限・同意の記録・バックアップを整える必要があった
実施内容
- 体験申込フォーム、生成AIによる自動案内、体験者カルテ、体験日の確定と入会の意思表示までの保護者向け画面の開発
- 体験者カルテの一覧・詳細、担当コーチの自動割り当て、評価メモ、手続きの進み具合と停滞日数、通知のスタッフ向け画面の開発
- クラス別・開催日別の定員管理と、セレクションの受験番号の自動発行
- Firebase 上の本番環境の構築(SMS 認証、担当範囲に応じた閲覧制限、同意の記録、日次バックアップ、監視)
- クラブからの変更要望を projectAI 上で受け付け、AIエージェント Mr.AI の実装と当社エンジニアのレビューで約1か月に20件超の改善を反映
成果
- 申込から最初の案内までをスタッフの手を介さずに完了する導線を構築
- 体験者の情報を個人LINEから切り離し、スタッフ全員が同じカルテを見て動ける状態に
- 着手から数日で動くプロトタイプを提示し、スタッフが実際に触った声をもとに改善を重ねた
- 本番環境と運用手順書(監視・バックアップ・復旧・公開前チェック)を整備し、受付開始を待つ状態に
- 要望が数日で画面に反映される進め方に対して、コーチ・事務局の現場から非常に高い満足度を獲得
弊社の担当領域
- 調査・提案の整理
- 要件定義
- 設計
- 開発
- テスト
- 本番環境の構築・運用設計
お客様情報
会社名
NPO法人(横浜市港北区を拠点とする少年サッカークラブ)
事業概要
- 幼児から中学生までを対象としたサッカースクールとクラブチームの運営
- 「普及(スクール)」「育成(チーム)」「強化(特別クラス)」の3本柱で活動
- 大人向けクラスやゴールキーパースクールなどの特別クラスも開講
プロダクト情報
名前
クラブ運営基盤(第1段階:体験申込から入会までの入口)
ミッション
最初の信頼を失わない。体験申込から入会完了まで、保護者がアプリだけで完結する
サービス概要
スポーツクラブの体験申込から入会までを、保護者のスマホだけで完結させる会員管理システムです。保護者は、クラブの公式サイトや紙のチラシのQRコードからスマホで体験を申し込みます。申込の直後に、日程・持ち物・集合場所・雨天時の扱いを生成AIがまとめて案内し、質問にもその場で答えます。申込内容は体験者カルテとしてスタッフに共有され、担当コーチが自動で割り当てられます。
体験日は複数の希望日からクラブが1日を確定し、保護者はカレンダー登録や地図アプリでの会場確認ができます。体験後は、コーチの評価メモとあわせて入会のご案内が届き、アプリ上で入会の意思を回答します。以降の手続きは事務局から案内します。

特徴
- 1画面1問の申込フォーム。学年を選ぶと該当するクラスと練習曜日だけが表示され、郵便番号から住所を自動入力
- 生成AIによる自動案内。スタッフを介さずに最初の案内が完了し、保護者の質問にも回答
- 体験者カルテ。申込内容・担当・評価メモ・進み具合・停滞日数をスタッフ全員で共有
- 定員管理と受験番号。満員のクラスや日程は申込画面に反映し、セレクションは受付時に受験番号を自動発行
- 公式LINEとの連携はQRコードの読み取りで完了
機能一覧
- 体験・セレクション・大人クラスの申込フォーム(入力途中の自動保存、送信前の確認)
- 生成AIによる自動案内と質問への回答(定型の案内へのフォールバックあり)
- 保護者マイページ(申込内容、案内、体験日、入会の意思表示、手続きの記録、履歴)
- 体験希望日の複数選択と、クラブによる参加日の確定
- カレンダー登録(.ics)と地図アプリ連携(iPhone・Android・PC で出し分け)
- 公式LINEの友だち追加QRコードとカルテの自動連携
- スタッフ向け体験者カルテ一覧・詳細(担当変更、タップ式の評価メモ、手続き状況、履歴)
- 担当コーチの自動割り当てと、担当範囲に応じた閲覧制限
- クラス別・開催日別の定員設定と、セレクションの受験番号の自動発行
- スタッフ通知(アプリ内通知、質問や複数日希望の申込はメール・LINEにも配信)
- スタッフの SMS 認証ログインと名簿管理
- 保護者ページの本人確認(登録した電話番号への確認番号)
- 同意の記録、個人情報を除いたサーバーログ、削除・棚卸しの運用スクリプト
プロジェクトの課題
クラブからいただいた提案資料は、7つの業務領域を統合する構想から、入口(未会員から入会まで)を起点に据え直した再構成案へと進化していました。最初の課題は、この構想を「経営層が着手を判断できる」段階から「実際に動く」段階へ、できるだけ早く持っていくことでした。
次に、保護者とスタッフの両方にとって使いやすいことが求められました。保護者は練習の合間にスマホで申し込みます。入力が長いと離脱し、案内が遅いと信頼を失います。一方でスタッフはボランティアに近い体制で、新しい管理画面を覚える時間は多くありません。通知を受け取り、カルテを見て、タップで評価を残す。それだけで済む画面が必要でした。
そして、実在する園児から中学生までの個人情報を扱う以上、本番公開の前に解かなければならない問題がありました。誰でも管理画面を開けないこと、生成AIへ送る内容を必要最小限にすること、プライバシーポリシーや利用規約を整えること、記録の保持とバックアップを設計することです。プロトタイプを承認いただいた後、これらを一つずつ確認事項としてクラブと詰め、本番環境を構築しました。
プロジェクトの進め方
着手にあたり、提案資料と公式サイトの全ページ、保護者・コーチ・既存サービスの事前調査をもとに、クラス・会場・費用・スタッフなどのマスタを整理しました。その数日後には、保護者のスマホ画面(体験申込から入会の意思表示まで)とスタッフ画面(カルテ・担当・評価メモ・進捗・通知)が動くプロトタイプを提示しています。
ここまでが、当社が作った基盤と骨組みです。以降の作り込みは、当社のプロジェクト管理ツール「projectAI」の上で、クラブの好みに合わせて進めました。コーチや事務局の方が画面を触って気づいたことを変更依頼として登録すると、AIエージェント「Mr.AI」がその内容を実装してプルリクエストを作り、当社のエンジニアがレビューして反映します。LINE登録のQRコード化、フリガナや住所の入力補助、Enterキーで画面が進んでしまう不具合の修正、「知っておきたいこと」の見せ方、カレンダー登録の任意化、会場の住所表示と地図アプリ連携、定員管理と受験番号、体験希望日の複数選択など、約1か月で20件を超える要望をこの流れで取り込みました。
仕様書や打ち合わせを挟まずに「こうしてほしい」が数日で画面になるため、現場からは非常に高い満足度をいただいています。基盤と骨組みを当社が作り、残りは使う人の好みに合わせて仕上げていく。 この進め方は、専任の担当者を置きにくい団体や中小企業のシステムづくりにこそ向いていると考えています。projectAI の仕組みはこちらの事例で紹介しています。
プロトタイプの承認後は、本番環境の構成設計と概算見積をまとめ、公開前の総点検で見つかった指摘をクラブの指示で「必須」に絞って対応しました。監視・バックアップ・復旧・公開前チェックをまとめた運用手順書とともに、受付開始を待つ状態になっています。
よくあるご質問
スポーツクラブや習い事教室の会員管理システムは、どのくらいの期間で作れますか? 本事例では、着手から数日で動くプロトタイプを提示し、約1か月で20件を超える要望を反映しました。基盤と骨組みを当社が短期間で作り、細かな仕上げは projectAI 上で要望を受けながら進めるため、最初に全ての仕様を固める必要がありません。
小規模なクラブや NPO 法人でも依頼できますか? はい。本事例のクラブも、専任のシステム担当者がいない NPO 法人です。コーチや事務局の方が画面を触って気づいたことをそのまま変更依頼として登録できるので、担当者を置かなくても改善を続けられます。
今使っている LINE や連絡アプリは使い続けられますか? 使い続けられます。本事例では、公式 LINE の友だち追加を QR コードの読み取りで連携し、入会後の連絡アプリもそのまま残しています。置き換えるのではなく、申込から入会までの導線をつなぐ設計です。
生成AIに保護者や子どもの個人情報が送られませんか? 生成AIへ送る内容は同意を得た項目に限定し、サーバーログからも個人情報を除いています。スタッフのログイン、担当範囲に応じた閲覧制限、日次バックアップまで含めて本番環境を設計しています。
関連情報
共創パートナーとして、要件定義から運用まで一貫してサポートいたします。
- 会員管理・申込受付など、団体の運営を支えるシステムをお考えの方 → システム開発
- 生成AIによる自動案内・問い合わせ対応をお考えの方 → AI導入支援
- 紙とメールに分かれた業務のDXをお考えの方 → DX推進支援
- 現場の要望をそのまま反映しながら育てる進め方の詳細 → projectAI の全社運用事例
関連するお知らせ: 少年サッカークラブの入会手続きをスマホで完結する運営基盤を開発
まずはお気軽にご相談ください。