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[1/4] プロジェクト管理の取り組み:プロジェクト管理の必要性

2025-10-14

システム開発において、最も大きなリスクの一つが「プロジェクト管理の失敗」です。当社は、お客様との共創を通じてインパクトのあるプロダクトを開発することをミッションとしています。だからこそ、プロジェクト管理に真剣に取り組んでいます。

本記事は、当社のプロジェクト管理への取り組みを全4回でお伝えするシリーズの第1回です。

このシリーズを通じて、当社がプロジェクト管理をどのように体系化し、効率化し、本質的な価値創造に集中できる体制を整えているかをお伝えします。システム開発のパートナー選定や、プロジェクト管理の改善を検討されている方の参考になれば幸いです。

システム開発における最大のリスク

システム開発のプロジェクトは、多くの時間、資金、人的リソースを投下する大きな投資です。特に基幹システムや業務のDX化、新規事業のシステム開発では、金額も大きく、期間も長く、複雑さも増していきます。

このような状況で、プロジェクト管理が不十分だとどうなるでしょうか?

Standish Groupの有名な調査「CHAOS Report」によると、適切な計画と管理がないプロジェクトの成功率は、わずか16.2%にとどまります。つまり、10のプロジェクトのうち8つ以上が、何らかの形で失敗しているのです。

プロジェクト管理が不在または不十分な場合、以下のような問題が発生します。

  • 進捗が不透明:何がどこまで進んでいるのかわからない

  • 課題の発見が遅れる:問題が大きくなってから発覚する

  • 意思決定が遅れる:適切なタイミングで判断できない

  • スケジュールの遅延:納期が守れない

  • 品質の低下:やり直しが頻発する

  • ステークホルダーの不安:信頼関係が損なわれる

これらは、プロジェクトを失敗に導く大きな要因となります。

管理がゴールではない

では、プロジェクト管理をガチガチに行えば良いのでしょうか?

いいえ、それは違います。

当社は「管理会社」ではありません。当社にとって、プロジェクト管理は、あくまで手段であり、ゴールではないのです。

大切なのは、プロダクトがその価値を発揮することです。

当社はお客様とプロダクトを共創します。多くの人がプロジェクトに参画し、多くの時間と資金とリソースを投下していきます。作ったものが価値のあるものでなければなりません。

そのために本当に必要なのは:

  • プロダクトの価値を高めること

  • ユーザーがプロダクトをどのように使っているか理解すること

  • ユーザーの要望や不満に応えること

  • プロダクトをより良くする方法を考え続けること

これらに、費やす時間を最大化したいです。

プロジェクト管理に多くの時間を使いたくはありません。進捗レポートの作成に時間を取られたくありません。しかし同時に、プロジェクト管理を疎かにしたいわけでもありません。

目指すのは、プロジェクト管理を品質高く、かつ効率的に進めることです。

そうすることで、チーム全体が本質的なこと(プロダクトの価値向上)に時間を使えるようになります。

プロジェクト管理の障壁

では、なぜ多くのプロジェクトでプロジェクト管理が不十分になってしまうのでしょうか?

当社が認識している主な課題は以下の通りです。

1. 手間の大きさ

タスクを細分化し、依存関係を定義し、担当者を割り当て、見積もりを入力し、スケジュールを設定する——これらの作業は、想像以上に手間がかかります。

実際、多くのチームで「誰もやりたがらない作業」となっています。あまりにも面倒で、煩雑で、時間がかかるからです。

2. ツールの使いにくさ

多くのプロジェクト管理ツールは、一つ一つのタスクを個別に開いて設定する必要があります。一括処理ができず、UIも直感的でないため、学習コストも高くなります。当社がタスク管理に使っている GitHub Project も同様です。

結果として、「ツールを使うこと自体が負担」となり、継続できなくなってしまいます。

3. 継続の難しさ

初期設定は頑張ってやったものの、日々の業務に追われて更新が後回しになる。気づいたら、プロジェクト管理ツールの情報が古くなっている——これは、よくある光景です。

4. 方針の不在

組織として、プロジェクト管理の方針やガイドラインがない場合、各プロジェクトが手探りで始まります。ある人は GitHub で管理し、ある人は自分のメモ帳で管理し、ある人は管理自体をしていない——こうなると、全体像の把握は不可能です。

さらに悪いことに、プロジェクト管理が「勘と経験」に頼りがちになり、属人化が進んでしまいます。

信頼できる方法論

こうした課題を踏まえ、当社は信頼できる方法論に基づいてプロジェクト管理に取り組んでいます。

アジャイル開発とスクラムへの準拠

当社のプロジェクト管理は、勘や経験ではなく、アジャイル開発とスクラムの原則に準拠しています。

取り組みは以下のようにアジャイル宣言とスクラムの価値観を実践しています。

「プロセスやツールよりも個人と対話を」: 毎日のデイリースクラムで、チーム全員が対面で進捗と課題を共有します。ツールはあくまで対話を促進するための手段です。

「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを」: レポート作成を自動化することで、ドキュメント作成に時間を取られることなく、スプリントゴール達成——実際にプロダクトを作ること——に集中できます。

「契約交渉よりも顧客との協調を」: プロダクト・オーナーとの継続的なすり合わせを通じて、固定的な計画ではなく、フィードバックに基づいて柔軟に調整します。

「計画に従うことよりも変化への対応を」: スプリント中も状況に応じてタスクを調整し、継続的に改善していきます。

そして、スクラムの価値観——確約、勇気、集中、公開、尊重——を実現するために、心理的安全性を重視しています。問題を報告しても責められない環境、進捗を透明に共有できる仕組み、チーム全体で成功を目指す文化を大切にしています。

心理的安全性の重視

Google Project Aristotleの研究が示すように、心理的安全性はチーム成功の最も重要な要素です。

心理的安全性とは、チームメンバーが対人関係のリスクを取ることに対して安全であると感じる環境のことです。問題を報告しても責められない、質問しても恥ずかしくない、失敗から学べる——こうした文化が、プロジェクトの成功につながります。

当社のプロジェクト管理は、この心理的安全性を促進するよう設計されています。

パーパス・ミッション・ビジョンとの整合性

当社のパーパスは、「協働的で効果的なエンジニアリングを通じて、インパクトのあるプロダクトを開発し、お客様そして社会に価値を提供し続けること」です。

プロジェクト管理は、この「協働的で効果的なエンジニアリング」を実現するための基盤なのです。

透明性のある進捗管理、明確なタスク定義、チーム全体でのゴール共有により、協働を促進し、エンジニアリングの効果を最大化します。

私たちの取り組み

当社は、プロジェクト管理をしっかりと実践しています。手を抜くことなく、進め方、進捗管理、報告をきちんと実施し、信頼できる品質を維持しています。

しかし、それは管理のための管理ではありません。プロジェクト管理はゴールではなく、あくまで手段です。本当に大切なのは、プロダクトがその価値を発揮することです。

だからこそ、効率化に本気で取り組んでいます。プロジェクト管理を品質高く、かつ効率的に進めることで、チーム全体が本質的なこと——プロダクトの価値向上——に時間を使えるようにしています。

次回の記事では、当社はどのようにプロジェクト管理を体系化し、社内で教育し、実践しているかについて詳しくお伝えします。